交通事故のむちうちは、なぜ翌日から痛くなるのか?

交通事故のむちうちは、なぜ翌日から痛くなるのか?

1. はじめに:なぜ“翌日から痛くなる”のか

交通事故にあうと、その瞬間は驚きや恐怖で頭がいっぱいで、「体は大丈夫かな?」と冷静に判断できないことが多くあります。

そして事故直後は痛みが軽く、「この程度なら大丈夫かも」「病院でも異常なしと言われたし…」と感じてしまう方は本当に多いです。

しかし、実際には翌日や数日後になってから首や肩の痛みが強くなる。これが、むちうちの非常に特徴的なポイントです。

患者さんはよくこう言われます。

  • 「翌日起きたら首が回らないほど痛くなった」
  • 「夜になって頭痛と吐き気が出てきた」
  • 「事故のときは平気だったのに、仕事に行こうとしたら動けなくなった」

このような遅れてやってくる痛みは、あなたの身体が弱いわけでも、我慢しすぎたわけでもありません。

むしろ“正常な反応”です。

この記事では、

「どうして翌日から痛むのか?」
「その痛みはなぜ起こるのか?」
「放置してはいけない理由は?」

など、あなたの不安を丁寧に解消しながら解説していきます。安心して読み進めてください。

2. むちうちの痛みが遅れて出る3つの理由

むちうちは医学的には「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」と呼ばれます。

これらには、“時間差で痛みが悪化しやすい特徴”があります。

特に多い原因を、優しく・わかりやすく解説します。

● 2-1. 事故の衝撃で筋肉が“反射的に固まる”ため

事故で体に強い衝撃がかかると、人の身体はまず“守る反応”をします。

これは「筋防御反応」と呼ばれ、外力から身を守るために筋肉が瞬間的にギュッと硬くなる状態です。

この段階では、筋肉は過緊張しているものの、「痛み」として脳が認識しにくいことがあります。

しかし数時間〜翌日になると、固くなった筋肉から血流が悪くなり、炎症が進行し、ズーンとした重だるさや、首が回らないような痛みが出てきます。

患者さんからよくいただく言葉が、「朝起きたら急に痛くなった」というものです。これは、炎症が寝ている間に進んだ結果です。

● 2-2. 炎症反応がゆっくり進行するため

むちうちの痛みは、内側で起きている“炎症”が原因になることがほとんどです。

炎症は、ケガを修復するための大切な働きですが、進行に一定のタイムラグがあるのが特徴です。

  • 事故直後 … 炎症反応はまだ弱い
  • 数時間後 … 炎症が徐々に活性化
  • 翌日以降 … 本格的に痛み・腫れ・筋緊張が強くなる

つまり、炎症がピークに向かうタイミングで“痛みのピーク”が来るのです。

ここを知らずに「様子を見よう」と放置すると、痛みの波を大きくしてしまうことがあります。

● 2-3. 自律神経が乱れ、痛みの感じ方が強くなるため

事故は身体だけでなく“心のショック”も伴います。

突然の衝撃、驚き、恐怖、緊張――これらはすべて、自律神経の乱れの原因になります。

特に事故直後は、交感神経(戦う・逃げるモード)が優位になり、痛みを感じにくくなります。

しかし時間が経ち、体が落ち着き始めると、交感→副交感の切り替わりがうまくいかず、痛みが一気に表面化してくることがあります。

  • 寝る前にズキズキする
  • 朝に痛みが強い
  • 仕事中に集中できない
  • 頭痛やめまいが出る

などは、自律神経の乱れが関与しているケースが多いです。

3. レントゲンで異常がなくても痛む理由

むちうちで最も多い疑問が「病院で異常なしと言われたのに、なぜ痛い?」というものです。

これは、むちうちの多くが“画像に写らない損傷”だからです。

レントゲンやCT、MRIは骨や大きな組織の異常を見つけるには最適ですが、交通事故で損傷しやすいのは…

  • 筋肉
  • 靭帯
  • 神経
  • 関節の細かい動き
  • 自律神経のバランス

など、“ミクロなダメージ”が中心です。

これらは、画像検査では確認できないため、「異常なし」=「問題なし」ではありません。

むちうちは「筋・筋膜の損傷」+「神経過敏」+「炎症」という複合的な障害で、MRIでも完全には捉えきれないことが医学的にも知られています。

4. 放置すると悪化しやすい症状

ここからは、多くの患者さんが後から悩まされがちな症状をご紹介します。

● 首の痛み・可動域制限

最もよくみられる症状。
朝起きたときや仕事終わりに強くなる傾向があります。

● 頭痛・めまい

筋肉の緊張や神経の乱れによって起こりやすい症状。
「薬を飲んでも良くならない」と相談されることが多いです。

● 肩・背中のハリ

首の筋肉が硬くなると、背中・肩甲骨まわりまで影響します。

● 手や指のしびれ

神経の圧迫や自律神経の乱れが原因になることも。

● 倦怠感・疲れやすさ

事故後に多い“自律神経症状”のひとつ。

これらは、早期に適切なケアをすると改善しやすいですが、
放置すると長期化する傾向があります。

5. 実際の患者さんケース

交通事故のむちうちは、なぜ翌日から痛むのか?

むちうちが“翌日から痛む”というのは、多くの患者さんが経験することです。

ここでは、これまで当院に来られた方の中から、特に多いケースを3つご紹介します。(個人が特定されないよう内容は調整しています。)

● ケース①:事故直後は平気だったが、翌日から首が回らなくなった(30代女性)

ある女性の方は、信号待ちで後ろから軽く追突されました。

事故直後は驚いたものの、痛みはほとんどなく、そのまま仕事へ。

しかし翌朝、起き上がろうとした瞬間に「首が全く回らない」「振り向けない」ほどの痛みが出現。

病院のレントゲンでは異常なし。それでも痛みと頭重感が続き、当院へ来られました。

原因は、事故直後に発生した“筋肉の過緊張”と“遅れて進んだ炎症反応”。

施術を重ねることで、3週間後には可動域も改善し、日常生活に問題なく復帰されました。

● ケース②:頭痛・吐き気が出て仕事に行けなくなった(会社員・40代男性)

この方は、事故直後は肩が少し重い程度で仕事に復帰されました。

しかし3日後から強い頭痛が出始め、デスクワークに集中できないほどに。

むちうちは首だけの問題ではなく、“自律神経の乱れ”が頭痛や吐き気を引き起こすことは非常に多いです。

施術では、首の筋緊張の軽減と姿勢バランス調整を行い、2週間で頭痛は軽減、1ヶ月で仕事に支障のないレベルまで回復されました。

● ケース③:子育て中のため放置→症状悪化した主婦(30代)

小さなお子さんがいて通院が難しく、「少し痛いけどそのうち良くなるだろう」と様子を見続けてしまったケースです。

1週間後、首の痛みだけでなく、背中の張り・腕のしびれ・疲れやすさが一気に悪化。

これは、最初のむちうち症状が“姿勢全体の崩れ”につながってしまった結果です。

施術を継続することで改善されましたが、早い段階でケアをしていれば、もっと短期間で改善した症状でした。

むちうちには「放置してはいけない理由」があります。それを次に解説します。

6. むちうちが翌日から痛む仕組み

● 6-1. 筋肉損傷と炎症反応の時間差

交通事故の衝撃は、わずか0.2秒ほどの瞬間で首に大きな負荷をかけます。その際に、筋肉や靭帯が細かく傷つきます。

損傷 → 炎症 → 痛みこのプロセスには“時間差”があり、炎症がピークを迎えるのは数時間後〜翌日です。

● 6-2. 神経の過敏化(Central Sensitization)

むちうちの痛みが長引いたり翌日に強く出やすい理由の一つに、神経の過敏化があります。

簡単に言うと、

  • 通常の刺激でも痛く感じやすくなる
  • 首のコリが肩・頭に広がる
  • 少しの動きでも痛みが強くなる

という状態です。

事故の衝撃は“神経のスイッチ”を敏感にさせやすく、これが翌日以降の痛み増悪につながります。

● 6-3. 自律神経(交感→副交感)の乱れ

事故の瞬間、「ドキッ」とするような強いストレスがかかると、交感神経(緊張モード)が急激に高まります。

このため…

  • 当日は興奮状態
  • 痛みを感じにくい
  • 無理をしてしまう

という状態になります。

しかし時間が経ち、緊張が解けてくると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れたままになり、急に痛み・だるさ・頭痛などが出ることがあります。

この現象は、医学的にも“交通事故後の自律神経反応”として知られています。

7. 事故後にやってはいけないこと

むちうち症状が疑われる場合、以下の行動は症状を悪化させることがあります。

患者さんが間違えやすいポイントをまとめます。

● 7-1. 温めすぎる

炎症が強い状態で温めると、痛みや腫れが悪化することがあります。
お風呂も長湯は避け、短時間で済ませるのが無難です。

● 7-2. 強く揉む(特に自己マッサージ)

痛みのある部分を強く揉むと、
炎症が広がったり筋肉が余計に緊張する場合があります。

● 7-3. 我慢して動かす

「少し痛いけど動かせるし大丈夫」
と無理に動かすと、症状が長引きます。

● 7-4. 放置してしまう

むちうちは初期対応が本当に重要。
放置期間が長いほど、回復までの期間も長引きます。

8. むちうちを早期改善するために必要なケア

むちうちは適切なケアを早めに行えば改善しやすい症状です。

当院の施術のように、筋肉・神経・関節・自律神経に対応するアプローチが効果的です。

● 8-1. 筋肉の緊張をやさしく緩める施術

事故の衝撃で硬くなった筋肉を、
強い刺激を入れずに“やさしく緩め”血流を回復させていきます。

● 8-2. 神経症状の改善アプローチ

しびれ・重だるさの原因となる神経の圧迫を緩和し、
神経が“安心して働ける状態”に戻していきます。

● 8-3. 自律神経のバランス調整

呼吸や筋緊張の状態を整え、
交感神経と副交感神経の切り替えを促します。
むちうちで出やすい「頭痛・めまい・不安感」にも有効です。

● 8-4. 姿勢バランスを整える

事故後は姿勢が崩れやすく、痛みの長期化につながるため、
必要に応じて背骨や骨盤のバランスも整えます。

9. 当院での交通事故ケア:初期〜回復までの流れ

交通事故後は、体の痛みだけではなく、「本当に良くなるのか」「今の状態は何なのか」という不安が非常に大きいと思います。

当院では、患者さんの不安を一つずつ解消しながら、安心して通院いただけるように、次の流れで施術を行っています。

● 9-1. 初回カウンセリング

まずは事故状況と現在の症状を丁寧に確認します。

  • どんな風にぶつかったか
  • どの方向から衝撃が来たか
  • 今、どんな痛みや不安があるか
  • 仕事や生活で困っていることは何か
  • 睡眠や気持ちの状態はどうか

むちうちは“見た目でわからない苦しさ”が非常に多い症状です。だからこそ、あなたの話をしっかり聞かせてください。

● 9-2. 検査・状態説明

症状の原因を一緒に確認しながら、写真や図を使ってわかりやすく説明します。

患者さんにはよく、「こんなに丁寧に説明してもらったのは初めてです」と言われます。

自分の体の状態が理解できると、痛みに対する不安も自然と軽くなります。

● 9-3. 専門施術(筋肉・神経・姿勢)

むちうちは、筋肉・神経・関節・自律神経など複数の要素が関わります。

当院では、

  • 筋肉の緊張をやさしく緩める
  • 神経の圧迫・過敏を軽減する
  • 姿勢バランスを整える
  • 呼吸の乱れを整え、自律神経の回復を促す

など、症状に合わせた施術を行います。体に負担のない、安全な施術だけを提供しています。

● 9-4. 再発しにくい体づくり

症状が落ち着いてきたら、次は再発防止です。

  • 日常生活の姿勢
  • 仕事中の体の使い方
  • 睡眠・呼吸のアドバイス
  • 自宅でできるケア

再発しにくい身体の使い方を、あなたの生活に合わせて無理なく提案します。

10. よくある質問(QA)

交通事故のケアは、不安や疑問の多い分野です。当院でよくいただく質問をまとめました。

Q1. 翌日から痛みが強くなっても通院して大丈夫?

もちろん大丈夫です。
むしろ“翌日から痛むタイプ”のむちうちは、早期にケアした方が回復が早くなります。

Q2. 病院と整骨院、併用しても問題ありませんか?

問題ありません。
むしろ組み合わせることで、

  • 病院 → 検査、医師の診察
  • 整骨院 → 筋肉・神経のリハビリ

と役割分担ができ、回復が早くなります。

Q3. 他の整骨院から転院できますか?

できます。保険会社への連絡もサポートしますのでご安心ください。

Q4. 子ども連れでも通院できますか?

はい、大丈夫です。事故後は一人で来るのが不安な方も多いので、気兼ねなくご来院ください。

Q5. お仕事が忙しくても通院できますか?

可能です。
痛みを放置すると仕事に支障が出ることも多いため、症状に合わせて無理のない通院ペースをご提案します。

11. 最後に:痛みを我慢しないでください

交通事故のむちうちは、“その場では痛みを感じにくい”という特徴があります。

だからこそ、

  • 「そのうち良くなるかも」
  • 「みんな大丈夫と言うし、気にしすぎかな」
  • 「病院で異常なしと言われたし…」

と自分を納得させてしまいがちです。

ですが、体は正直です。

翌日から痛みが強くなるのは、“あなたが弱いから”ではありません。医学的に見ても、むちうちではごく自然な反応です。

むちうちは、早期に正しいケアをすれば改善しやすい症状です。

逆に、放置してしまうと長引く傾向があります。

もし今、

  • 朝起きたときに痛みがある
  • 頭痛やめまいが出てきた
  • 事故の衝撃を思い出して不安になる
  • 「このまま良くなるのかな」と心配

こんな不安があるのであれば、どうか一人で抱え込まないでください。

あなたの体は、あなたが思っている以上にストレスを受けています。

私たちは、その不安も含めてしっかり寄り添いながら、あなたの回復をサポートしたいと考えています。

ほんの小さな症状でも大丈夫です。少しでも不安があれば、いつでもご相談ください。

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